原稿用紙30枚以内という規定で募集している純文学と呼ばれる系統の文学賞があったので「30枚で文学なんてものが書けるのですか?」と挑戦してみた作品です(結局、30枚以内に収まりませんでしたが・笑)。短編ですが「これが河内レオンの考える文学だ」という作品に仕上がっていますので、興味のある方はどうぞ。出だしはミステリー小説風ですけど、本作は娯楽系の小説ではありません(バイオレントな描写も含まれていますので、予めご承知おきください)。
【あらすじ】
とうに陽は沈んだというのに失せることのないねっとりとした熱気が宙に漂い、誰もがその不快さに苛まれていたその夜、地区の消防司令センターには送電線の鉄塔の上で火の手が上がっているとの通報が相次いでいた。不思議なことにどの通報の声にもさしたる緊迫感が無かったのは、高さ四十八メートルの鉄塔の上部で仄かな炎が揺らめいているだけのものだったからで、その炎の正体は自殺を図った男が自ら放ったものであった。現場検証と遺体の検死解剖を行ったを警察は、男が鉄塔の上で焼身自殺を図ったと断定したものの、遺体に関してはそれが中年の男性ということ以外は身元さえ判明せず、鉄塔の上という不可解な場所を選んだ理由や自殺の動機もまったくもって不明のままだったが、鉄塔上での焼身自殺事件から三日後、鉄塔にほど近い住宅街に建つ築五十年の古い木造アパートで異臭騒ぎが発生したことで事件は意外な展開を見せる。部屋の住人が自殺でも図って死んでいるのではないかと心配したアパートの大家が部屋の中に入るのを躊躇して警察に通報、駆け付けた警察官が室内に足を踏み入れてみると、そこにあったのは撲殺された血塗れの別人の男性の遺体で、しかも、その部屋で暮らしていた住人こそが、鉄塔の上で焼け死んだ身元不明の男だったのだ。果たして、男はなぜ鉄塔の上で死ぬことになったのか…。
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