庶民を苦しめるだけの円安

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このところ、1ドルが155円前後という為替相場が続いています。2012年に1ドル80円を切っていたことを思えば、円の価値はこの10年ちょっとの間に半減したということになりますね。これが庶民にとって何を意味しているかと言いますと、損なことしかないということです。日本は食料品の約4割を輸入品に頼っているので(それは国産の農産物、畜産物の価格が高いから安い輸入品の需要が高かったという事情もあるでしょう)、例えば1ドル100円の時、100円で売られていた輸入牛肉が1ドル150円になると、自動的に150円に値上がりとなります。つまり、輸入品の価格が1.5倍になる訳です。実際、最近、スーパーに並んでいる輸入牛肉の価格は国産牛とあまり変わらなくなってきていますね(涙)。日本は石油や天然ガスなどのエネルギー資源をほぼ100%輸入に頼っていますから、円が安く(弱く)なると、ガソリンは勿論のこと、火力発電で作り出している電気やガスの料金などもすべて値上がりとなります。海外旅行へ行っても円の価値が半減しているので、何もかもがバカ高く感じることでしょう。庶民にとって円安は何も良いことがないのです。

その昔、シンゾーおぼっちゃまは「(1ドルに対して)円が300円になったらトヨタの車が3分の1で売れる。日本の製品の価格が3分の1になる。日本への旅行費も3分の1になる。そうすればあっという間に経済は回復していく」と脳内お花畑のようなことを言っていましたが、まさしくこの発言は、日本国政府(=自民党)が輸出に頼る大企業の利益代弁者であって、庶民のことなど眼中にないことを露骨に表していますね。このおぼっちゃまの発言には、庶民の側からの視点が完全に欠落しているのです。円高が続いていた時代、日本国政府やカスゴミは、1ドル100円以上の円高になれば、日本企業はバタバタと倒産して大変なことになるという嘘を垂れ流していましたが、1ドルが80円を切っても倒産する大企業などありませんでした。円安になって得をするのは、シンゾーおぼっちゃまがその名を出しているようにトヨタ自動車などの輸出企業だけ。しかも、トヨタが円安で儲けまくったところで、日本社会に対して何らの貢献もしません。儲かった金を社会に還元するどころか、カスゴミの広告に大金を費やすだけです。トヨタ自動車をはじめとした輸出企業のおかげで庶民の生活が良くなるということはありませんし、円安は庶民を苦しめるだけなのです。

では、以前のように円高に戻ることはできないのか?それには先ず、日本銀行が利上げをして他国よりも金利を高くすることが必要となります。日本の金利が高いとなれば、世界中の金融機関が円を買ってより良い金利を得ようとするからです。ところが、異次元金融緩和と呼ばれる異次元ではなく異常な政策を続けてきた日本銀行は、いまだ金利を上げようとしません。上げようとしないのではなく、もはやできないのです。なぜなら、このブログでも何度か触れているとおり、日本国は1000兆円を超える債務を既に抱えているから。債務というものには利息が発生します。今までのように異常なゼロ金利政策を続けていれば、債務にも利息が発生しませんが、金利を上げると、利息の支払いが必要となります。金利を上げれば上げるほど、債務に対する利息の支払いも増えていく訳で、1000兆円を超える債務の利息を支払うとなると、たとえ金利を1%上げただけでもとんでもない金額となります(最終的にその支払いを増税という形で押し付けられる羽目になるのは日本国民です)。しかも、現在の日本国の政府の長は「円が300円になったら経済が回復すると教祖さまが言っているのだから、それが正しいに決まってる」と考えるシンゾーおぼっちゃまの愛弟子のまぬけ女。1ドルが160円に近づこうとも、何の手も打たずに放置です。これでは、当面、円高に進むことはありませんし、物価がますます上昇していくことは想像に難くありません。そろそろ皆さんも、今の円安に怒りの声を上げてみては如何でしょうか?

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